| 1.日本国は、今こそ、自前の国家戦略を持たなければならない。
日本は、敗戦後五十五年間の間、国家戦略研究所(インスティテュート・フォー・ナショナル・ストラテジィ)を持たされないままやってきた。
「国家戦略」という言葉を使うと、このストラテジィ(戦略)という言葉が、すぐに軍事的な響きを持つので、「平和国家・戦争放棄国家」日本の根本理念に反するとされて、この言葉の使用がはばかられてきた。
2.しかし、ナショナル・ストラテジィというのは、私たちのこの国が、国際社会の中で、この先、どのように生きてゆくかをあれこれ考える知識と学問のことである。決して、単に軍事的なものではない。
国家戦略研究とは、近い将来に起こるあらゆる不測の事態に備えて、それらに対応できるように、想定的に何百個もの理論と対策を予め作っておくことである。だから国家戦略研究所とは、このための国家レベルでの理論センターのことである。
3.日本にも戦前は、国家戦略、世界戦略を考えて夜も眠れない人々というのがいたのである
現在は、アメリカの巧妙でソフトな戦後支配のために、政治家はもとより官僚にも財界人にも、日本の国家戦略立てて実行に移すという人物がいなくなった。そういう頭脳と人材を育てようという発想すら消滅してしまった。
アメリカの、占領軍の中にいた「隠れ社会主義者」たるニユーディーラー(元祖グローバリスト)たちに、うまい具合に、洗脳(ブレイン・ウォッシュ)あるいは、マインド・コントロールされてきたからだろう。
4.アメリカがオンブに抱っこで日本を甘やかして保護してくれていた間はそれでもよかった。しかしもはやそういう時代は過ぎ去った。
日本に現在あるのは、大企業や財界が持っている各企業ごとの経営・経済戦略、あるいは技術戦略である。その他には、防衛庁の幹部たちがアメリカ軍幹部に手取り足取りで教え込まれている防衛戦略である。
そしてこのレベルでとまっているのである。今の日本にないこのレベルを一段上に突き抜けた国家戦略を立案する人材も頭脳も、皆無である。
これは国家としての危機である。
5.私たちは、だから、やはり、今こそ、自分たちの運命を自分の手に握るべく本気で自分の頭で考えて、あれこれ予測できるようになるべきだ。
そのために、ワシントンのシンクタンクに似た、国家戦略研究所群を作らなければならないのである。
ただし、各省官僚OBたちからなる研究所であってはならない。役人・公務員は、官僚機構の中で、自己保身に走るから、利害関係がからんで研究内容の公正さと客観性が保てない。これらの国家戦略(政策)研究所は、日本にもたくさんある。
アメリカにあるのは、世界戦略研究所だが、日本に必要なのは、本物の国家戦略研究所である。
台湾や韓国でさえ、独自の国家戦略研究所を持ち、ワシントンにその支所を置いている。そこでは、アメリカの政治思想や政治勢力の分析も細かく行っている。台湾や韓国の戦略学者は、アメリカの役人と互角に渡り合っている。
日本人の政治学者や政治分析家で、国際水準で競争している人は果して何人いるだろうか。
6.当SNSIは、研究所長である副島隆彦が、誰よりも早く近年の著作・言論活動で「日本は今こそ、自力で国家戦略研究を始めなければならない」と主張してきたことをきっかけとして作られた。
若くて優秀な人材がここに結集してくれることも主眼に置いている。
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